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2012/11/07

実録 SPY復活?の日 ~Hiro視点~


10月も暮れようとしたある日の昼下がり、仕事中だというのに携帯が鳴っているのに気づく。

「もしもーし」

聞き覚えのある声。Kazuyoだった。

「~って覚えてる?」

聞けば、SPYとして活動していたときに交流のあったバンドが、10週年だかで復活ライブを行ったのでそれを見にいったとのこと。
いろいろ人の名前が出てきて、なにやら興奮しているようだが、要点が見えてこない。
仕事中に掛けてくるくらいだから、なにやら面倒なことを言い出さなければいいのだが...

「でさあ、ライブなんて久々に見てたらアタシも歌いたくなっちゃって」

「ということでSPYも復活します。Miccaにはもう話してあるから」

!!!っえ~~!!!
なんということでしょう。10数年前にリタイアして以来、普通一般人として普通に生きてきた身にとって、まさに晴天の霹靂。

「いやいやいや、もう楽器なんて何年も触ってないっすよ。機材だってろくなの残ってないし...」

決死の抵抗を試みるも、燃え上がったKazuyoのパッションを押さえ込むことなどできようかいやできまい。
なんと、すでにライブハウスのマネージャーにまで話を通しているという。
こちらもハラを括るしかないのか?


その週の土曜にとりあえずミーティングをしようということになり、かろうじて残っていた黄ばんだ譜面を何曲分かと、オケのデータを何曲分か引っ張り出して、懐かしのホームタウン三軒茶屋へ。

久しぶりだなー。あんまり変わってないね三茶は。

などと思いながら待ち合わせ時間近くの三茶をそぞろ歩いていると、携帯に着信。指定の場所へと向かう。

お、あれだな。二人の人影を認め、近づいていくと...
なんか指差されてませんか、ワタシ。

Micca(以下み)「ひろちゃーん、久しぶりー」

Kazuyo(以下か)「なーに、あなたそのお腹!太ったねーwww」

!!
失礼な! 確かに現役時代より20kg近く増えたけども!
そちらこそなんだ、そのけしからんチ...もとい恰幅のよい首周りは!
まあいい。そんなことではピリピリしません。大人になりましたから。


さておき。

近くの喫茶店に突入し、さっそくミーティング開始。すでに40分のライブというところまで話はできているらしく、とりあえず6曲決めようとということになった。

以下懐かしの曲名が並びます。

か「ひろは何やりたいんだっけ? メールで言ってたやつ?」

Hiro(以下ひ)「そそ。『I'm still...』だっけ、ピアノのバラード」

か「ひろ好きだよねー、『I'm still...』。何がやりたいって聞くと必ず言うよね」

...ほっとけ。

か「み~ちゃんは?」

み「ん~、あちし?(注:みかちゃんは若干舌足らずなのでHiroにはたまに「あたし」が「あちし」に聞こえます)
 え~と、『きっとそうだよ』とか?」

か「却下。」

み「え~、なんでですかぁ」

か「歌詞が恥ずかしい!」

うん、可愛らしい歌詞だもんね。分からないでもない。

か「まず、定番ということで『忘れないで』でしょ」

ひ「定番といえば、あれは? 『プレゼント』とか」

か「却下! はずかしーっつーの!」

うーむ、あれもか。まあ、ねぇ...

か「まあでも、こうやって改めて考えると意外とないもんだよねー。久しぶりにCDとか聞いたんだけど、『Cha Cha Cha』とかオケしょぼいしさー」

んがっ!!
い、今このヒト、おれの一等お気に入りをさり気につき落としませんでした? お、オケがなんですと?
...ま、まあそうだよね、たしかに今聞くとうん、確かにしょぼいよね(隠泣)

侃侃諤諤。喫茶店でCDやテープを並べつつ、6曲候補を決め、その場でライブハウスに予約の電話をし(もちろんKazuyoさんが。なんでも速いのです)、スタジオを確保して、翌週にはさっそく最初のリハーサル...ということになったのでした。
(この間約1時間?いやもっとか?展開が速くてあまり記憶がなかったりする。)



こんな感じでSPYは再始動しました。
10年たってもノリはそんなに変わらない。とにかく前へ。SPYってこんな感じだったよね。
などと過去形で振り返る余裕があったのでした。あのころの私には。そう、最初のリハーサルを迎えるあの日までは...

つづく なんつて。